Economimesie R&D Workshop#8

オタクにとって聖なるものとはなにか

2/27(sat) 13:30 start

@日本女子大学目白キャンパス 新泉山館 大会議室

今井 信治, 橋迫 瑞穂, 茂木 謙之介, 川村 覚文

Agenda

現代日本のオタク文化のなかに、宗教的なものを見出すのはたやすい。オタクたち自身、いくらか自嘲気味に「ネタとして」、しかし内心ではかなりの真剣さをもって「ベタに」、みずからの行動や世界観を宗教用語であらわすことがある。その行動様式もまた、自覚的であろうとなかろうと、しばしば「まるで宗教のようだ」。例えば、原始宗教を思いおこさせる奇天烈な衣装、古代の崇拝(カルト)とみまがう踊りや礼拝、集団の祈りのごとき形式化された絶唱など。

オタク文化を彩る作品群(漫画、アニメ、ゲーム、ラノベなど)にも、宗教的な表象が満ちあふれている。伝統宗教の場や象徴がそっくりそのまま採用されていることもあれば、元の文脈から引きはがされた有形無形の断片が作品に意味をあたえていることもある。また、オタク作品群につねにあらわれる超常的で霊的な存在や力は、「宗教」という固い表現になじまず、むしろ、「オカルト」「スピリチュアル」「俗信」といった表現の方がしっくりくることも多い。 制作者と作品とオタクとが、こうした世界観において「何か」を交換しあい、多彩な文化をきずきあげているのだ。

めくるめく伝統と霊性のオタク現象―― これをまえに、宗教研究には、重大な問いが突きつけられる。オタク文化はどうしてこうも宗教に「類似している」のだろうか。「共有されるなにか」があってこその類似のはずだが、それはなにか。はたして、オタク文化とは伝統的な宗教と「同じなにか」なのだろうか。それは「偶像崇拝」「多神教」「異教」と何が異なるのだろうか。あるいはまた、「宗教」という言葉をさけて、「スピリチュアル」「霊的」「俗信的」「空想的」などの言葉を使えば、それはうまく説明されるのだろうか。 現在、宗教社会学の先端では、これらの問いが真摯にとりくまれている。本ワークショップでは、その潮流をけん引する4名の若手研究者を交え、「宗教研究からのオタク論」の今後について見通しをえたい。

Panelists

「拡張現実とアニメ「聖地巡礼」――来訪者アンケートを中心に」

キーワード

「拡張現実」「リアリティ」「ツーリズム」

参考文献

北海道大学観光学高等研究センター文化資源マネジメント研究チーム(編)『メディアコンテンツとツーリズム―鷲宮町の経験から考える文化創造型交流の可能性』(北海道大学観光学高等研究センター、2009)

エドワード・ブルーナー『観光と文化――旅の民族誌』(安村克己・遠藤英樹他訳、学文社、2005=2007)

ディーン・マキャーネル『ザ・ツーリスト――高度近代社会の構造分析』(安村克己他訳、学文社、1999=2012)

「『聖』なる少女のつくり方――『魔女っこ』と『ゴスロリ少女』の事例から」

キーワード

「少女」「モノ」「占い/おまじない」「データベース」「雑誌」

参考文献

東浩紀『動物化するポストモダン――オタクから見た日本社会』(講談社現代新書、2001)

大塚英志『「りぼん」のふろくと乙女チックの時代――たそがれ時にみつけたもの』(筑摩書房、1995)

島薗進『ポストモダンの新宗教――現代日本の精神状況の底流』(東京堂出版、2001)

「〈オタク論〉と宗教学知―1970~2010年代のメタヒストリー」

キーワード

「オタク論」「学説史」「大塚英志」「東浩紀」「澁澤龍彦」

参考文献

大塚英志『「おたく」の精神史』(講談社現代新書、2004)

東浩紀『動物化するポストモダン』(講談社現代新書、2001)

澁澤龍彦『少女コレクション序説』(中公文庫、1985)

“Date & Venue”

日時 2016年2月27日(土) 13時30分-17時30分

場所 日本女子大学 目白キャンパス 新泉山館 大会議室

Booking

以下からご予約頂いた方には、当日レジュメをご用意いたします。

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